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カワサキ=ライムグリーンの理由

カワサキ=ライムグリーンの理由

ライムグリーンは欧米では「不吉な色」

カワサキのメーカーカラーと言えば、鮮やかな緑色が眩しい「ライムグリーン」を想像する人が多いのではないでしょうか。
確かに、ライムグリーンはカワサキバイクのイメージカラーです。

しかし、最初からライムグリーンを採用していたわけではありません。
もともとカワサキは、赤色をメーカーカラーとしていました。
本格的にロードレースに参戦した際に使われたKR-2は、当時のメーカーカラーである赤と白を身にまとっています。
しかし1968年のデイトナレースをきっかけに、メーカーカラーをパドックにいるだけでも十分に目立つライムグリーンが採用されることになったのです。

このライムグリーンの色は、欧米では不吉な色を考えられています。
目立つ色という点では間違いありませんが、レースメーカーにとってはあまり積極的に採用したくはない色でした。
その不吉な色をあえて採用したカワサキは、バイクレース界に参戦したのが他のメーカーよりも遅かったため、「挑戦者」という意味を込めてこの色を選んだという説があります。

もちろん、ライムグリーンはレーサーがそこにいるだけでも目立ちすぎるほど鮮やかな色ですから、目立つという点も採用する際のポイントとなってことは言うまでもないでしょう。
失敗することを恐れず、果敢に挑戦するメーカーという意味を込めて、カワサキはライムグリーンをバイクに取り入れたのです。
現在でも、このライムグリーンはカワサキバイクを象徴する色として知られています。
カワサキと言えばライムグリーン、ライムグリーンと言えばカワサキと言われるほど定着しています。

カワサキがライムグリーンを選んだ背景

現在では、多くのカワサキモデルのバイクがライムグリーンを身にまとっています。
その中でも最初にライムグリーン色で登場したのは、カワサキのワークスマンモデルであるAIRASです。
ライムグリーンとホワイトの2カラーを身にまとい、レーザーもお揃いのカラーで登場したことで当時は「最も美しいチーム」だと絶大な支持を集めました。

欧米で不吉な色と言われていたライムグリーンを選んだ背景には、上記の通りバイクレースへ参戦した時期が遅かったことによる「挑戦者」という意味を持たせようと考えたこと、そして何よりもパドックやサーキットで目立つ色だという点が挙げられます。
その他にも、ライムグリーンのバイクがレースで高実績を上げることにより、カワサキチームはグリーンモンスターだと恐れられるようになった点もまた、ライムグリーンがメーカーカラーとして定着していった背景だと考えられています。

現在では、このライムグリーンには「常識にとらわれることなく、また失敗を恐れず、自分が切り開いた我が道を進む」という意味が込められています。
世界中のバイクレースでカワサキチームを勝利へと導いたライムグリーンは、現在ではバイク界に君臨する勝利の色と言っても過言ではないかもしれません。